大阪吹田の編集ライティング&デザイン制作

総合病院 広報誌|阪和記念病院様 2025.7 制作

目次

ご要望は「文字校正の徹底」と「デザインのリニューアル」

裏表紙        表紙
P.1        P.2
P.3        P.4
P.5        P.6
P.7        P.8
P.9        P.10
P.11        P.12
P.13        P.14

仕  様:A4 /16ページ/フルカラー 
種  類:広報誌(年2回の発行予定)
制作目的:主要手術件数などの報告、病院の取り組み・職員に関する認知拡大
配布対象:来院患者様、提携クリニック様、ほか関係各所
配布方法:手渡し/各施設内での設置
制作期間:約3か月
制作範囲:ヒアリング/企画/インタビュー取材/ライティング・リライト/写真撮影/レイアウト構成/デザイン/印刷手配/進行管理

阪和記念病院様は、大阪市住吉区にある480以上の病床を抱える総合病院。この病院で、2023年2月から発行されている広報誌が『かきつばた』です。

院内の待合スペースで患者様に読んでいただくほか、周辺クリニックなどの関係者様、または、病院の渉外担当者様が訪問先で配布もされているということです。

今回のご依頼は、まず「文字校正を徹底させて、文字や文章の間違いをなくしたい」というご要望が始まりでした。

すでにvol.5まで発行されてきた『かきつばた』ですが、16ページの冊子の中でそこそこの誤植、いわゆる誤字・脱字が見受けられていたそうです。

そこで「文字校正が得意な制作会社さんと協働したい」ということで、外注体制を見直すことに。さらに、これを機にデザインもブラッシュアップしたいと、ご依頼いただきました。

文字校正についての考えをしっかり共有

まずは、当ラボの文字校正に対する考え方を、しっかりとお伝えさせていただきました。

お伝えしたポイントのうち、重要な点は以下の3点になります。

①校正のプロでも100%完璧なチェックは不可能
②文字校正は「双方」で行う
③文字校正のための時間の確保を

文字校正の作業において、絶対にミスなく、完璧にチェックをすることは不可能です。なぜなら、人間が行う作業だからです。

近年ではAIなどを使った文字校正ツールも出始めていますが、それもまだ不完全で、結局、人間の目を通す工程は欠かせません。

かつて、別のクライアントに「絶対にミスのないように校正してほしい」と言われたことがありましたが、その際、私は以下のようにお返事しました。

「もちろん全力を尽くしますが、人間である以上、完璧は不可能であることをご理解ください。プロ野球選手でもエラーをしますよね。肝心なことは、エラーをしないことではなく、タイムリーエラーをしないことだと考えています」と。

ここでいうタイムリーエラーとは、組織名や店名・人名といった固有名詞、あるいは電話番号など、そのミスによって迷惑がかかってしまう人が発生する間違いを指します。

そうしたの間違いは、確かに何がなんでも潰さないといけません。

でも、それ以外の誤字・脱字に対しては、あっても「まあ仕方ない」くらいのスタンスで臨んだ方が、結果、文字校正をスムーズに進められ、間違いの率も抑えられるという私の考えを正直にお話しさせてもらいました。

「きちんとチェックできたかなあ」「まだミスがあるかも…」という、校正者ならではのプレッシャーは気にしだすと本当にキツイものでして、むしろ校正のクオリティを下げてしまう恐れがると思っています。

従来のデザインを踏襲しつつも、リニューアル感を出したい

また、新しい制作体制に変わるなら、デザインもブラッシュアップさせたいというご要望もいただきました。ただ、「いきなり大幅に変更するのは避けたいので、少しずつおしゃれに変えていきたい」というお話でした。

つまり、これまでのデザインテイストを踏襲しつつも、変えられる範囲でブラッシュアップしたいというご意向です。よくわかります、そのお気持ち。

広報誌にしろ社内報にしろ、組織が発行している以上、勝手に大幅にリニューアルすることは難しいけれど、個人的には変えていきたいというご要望は珍しくありません。

というわけで、そのご意向に添いつつ、全ページのデザインをリニューアルさせていただきました。

ちなみに、「こんな感じで変えました」ということで、リニューアル前後が分かりやすいページを、解説とともに以下にピックアップしてみました。

【#1 院長挨拶ページ】

Before
After

<リニューアルのポイント>
⚫︎タイトル、お写真、本文という構成要素はそのまま
⚫︎タイトルサイズと、本文の文字サイズを見直し、よりスムーズな本文への視線誘導を意識
⚫︎真面目な印象も与えるが、やや重くも感じるネイビーは差し色程度に使用
⚫︎やわらかいテイストのイラストも挿入し、誌面の印象をソフトに

【#2 新入職職員紹介ページ】

Before
After

<リニューアルのポイント>
⚫︎背景のピンクのベタ塗りは外し、文字と写真が際立つ白をベースカラーに
⚫︎ピンクは周囲の枠と配属科の名称部分にのみに採用
⚫︎配属科ごとのマスはあえて横幅はそろえず、文字量に合わせた幅・高さにして、動きのある誌面に
⚫︎タイトル左側のカーブや、配属科ごとのマスの角を丸くすることでソフトな印象に

【#3 近隣グルメ紹介ページ】

Before
After

<リニューアルのポイント>
⚫︎このページは逆に、食べ物がおいしく見えるよう暖色系のカラーをベースに
⚫︎コーナータイトルとともに、よりキャッチーなフォントに変更
⚫︎写真を重ねるレイアウトは避け、すっきりした配置に
⚫︎本文は他ページに合わせて横書きに変え、文字量も少なめに
⚫︎病院の冊子という観点から「ヘルシーMenu」を紹介するコーナーを新設

【表 紙】

Before
After

<リニューアルのポイント>
⚫︎タイトルと写真の境界のグラデーション処理を取り、なだらかな弧を描く曲線に変更
⚫︎タイトルと「Vol.6」「TAKE FREE」の文字サイズを下げ、タイトル周りの印象をシンプルに
⚫︎一番下のURLが書かれた箇所は、ラインごとカット
⚫︎「写真撮影者」の表記→「撮影者」に文字数を減らす

これらの修正は、すべて写真を際立たせる意図で加えています。

一つひとつは地味な変更ですが、それを重ねることでより写真の力が際立つ表紙になったと思っています。

ご要望になかった表紙のリニューアル案が採用に

ちなにに、表紙に関しては、実はご担当者様は「従来通りで構わない」とおっしゃっていました。

つまり、表紙のリニューアル案はいわば「勝手に」こちらで作って、お出しした案だったのです。もちろん、下記のように従来通りのデザインの表紙もA案として作成しています。

A案

これも作成しつつ、もっとよくなると感じたためデザイナーと話し合い、下のようなB案・C案表紙をご提案したところ、C案が採用されました。

B案
C案

クライアントのご要望をしっかり反映させた案を作成することは、当然、大切な作業です。

加えて私は、クライアントが気づいていない切り口のデザインもお見せできるなら、極力、複数案をご提案するよう心がけています。

むしろ、それこそがプロの役割でもあると思っているので、表紙に関してもリニューアル案が採用され、安心した次第です。

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この記事を書いた人

これまで、教育系出版社、編集プロダクション、デザイン会社などでライター・編集者として約20年、広報誌や会社案内、社内報に記念史、リーフレット、チラシなどを制作してきました。

独立した現在は、主に個人事業主や小さな会社の営業用パンフレットや販促チラシ、Webライティングなどを通して、お客様の強みを言語化し、価値を「カタチ」にするお手伝いをしています。

モットーは「いいパンフレットでいいコミュニケーションを、いいコミュニケーションからいいビジネスを」。

そのために、「つくること」がゴールではなく、「本当に役に立つ」「ビジネスにつながる」パンフレット・チラシをつくります。

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