大阪吹田の編集ライティング&デザイン制作

パンフレットやチラシのデザインを「好み」でしてはいけない2つの理由

好みでデザインしてしまいそうな女性

パンフレット・チラシ類を制作する時、皆さんはなにを基準にデザインしていますか?そして、デザイン会社などが上げてきたデザインを見て、なにを基準に選んだり修正したりしていますか?

恐らく、多くの方は無意識にご自分の「好み」でデザインを決めたり、選んだり、修正したりしているんじゃないでしょうか。

もちろん自社の商品・サービスのためのパンフレットやチラシですから、自分好みのデザインにしたい気持ちはとってもよくわかります。

「ネイビー系で落ち着いた感じに」「ピンク系でゆるふわな印象に」「ベージュ系のナチュラルな方向性で」などなど、好みのデザインをイメージしてる時って楽しいものですよね。

でもそれ、実はけっこう危険な瞬間なんです。

なぜなら、「好み」で進めてしまうと、せっかくパンフレットやチラシを作っても肝心のターゲットに届かない可能性が高くなってしまうからです。

そこで今回は、パンフレットやチラシを「好み」でデザインしてはいけない理由についてお伝えしたいと思います。

これはデザインだけじゃなく、ライティングにもあてはまることなので、社内でパンフレットやチラシなどのライティングも担当されている方も、ぜひご一読ください。

目次

パンフレットやチラシは「自分」が見るための制作物ではないから

では早速、パンフレットやチラシを「好み」でデザインしてはいけない理由から。

とっても簡単な話で、制作するパンフレットやチラシは、あなた自身が見るためのものではないからです。

もし、そのパンフレットやチラシをあなたが自宅に持って帰って読んだり、自室の壁に貼ってインテリアとして楽しむのなら、100%好みで作っていいと思います。

でも、そのパンフとチラシは、自社の商品・サービスを購入してほしい方々(ターゲット)に見てもらうためのものですよね?

ターゲットに「この商品いいね」とか「このサービス試してみようか」と思ってもらうためのデザインのはずです。そのためには、ターゲットの属性や好みを分析した上で、仮説を立てながらデザインを決めていく必要があります。

それを、自分の「好き!」だけで進めてしまうと、ターゲットに刺さるデザインや文章から外れてしまうわけです。

とはいえ、人間どうしても自分の好みで進めてしまうものです。

こんな偉そうなこといってる私も、自分のWebサイトを制作した際は、ちょっと油断するとすぐに「好み」が顔を出してきたので、「いかんいかん」と頑張って意識を修正していましたから。

そんな時の人間は「自分軸」で判断を下しています。

特にクリエイティブ系の場合、自分軸でつくられた制作物は、残念ながら自己満足の代物になってしまうことが少なくありません。

であれば、それを「相手軸」に変えるように意識すればいいのです。

ここでいう「相手」とは、もちろん商品やサービスを購入してほしい、つまりパンフレットやチラシを読んでほしい「ターゲット」です。

この「自分軸」から「相手軸」への変換ができるかどうかが、「自分好み」から脱却するためのポイントといえるでしょう。

自分ではなく、ターゲットの「好み」を推測して、ターゲットに好まれるようにデザイン制作を進めていってください。

パンフレットやチラシは「主観」でデザインしてはダメだから

「好み」で制作してはいけないもう一つの理由は、好みは「主観」だからです。

私が、パンフレットやチラシをデザインする際に最も心がけているのが「主観の排除」です。なぜなら、主観の正体は感情であり、感情はコロコロ変わるからです。

そして「主観」は想定読者の方々も当然、お持ちです。自分の感情から生まれた主観が、想定読者の感情と一致することは……なかなか難しいと思います。

実際、自分自身の中だけでも、昨日は「いいデザインだな」と思っていたのに、翌日見ると「そうでもないかも」などと、主観でデザインに接しているとその都度、違う印象を抱いてしまうことがよくあります

そして、それを毎回そのままデザイン担当者に伝えてしまうと、当然、デザイナーさんは困ってしまいます。日によって指示が違ったら、どっちの方向でデザイン制作を進めたらいいのかわからなくなってしまいますから。

意外かもしれませんが、デザインって(アートでなく商業デザインである以上)ロジカルに作られているんです。

これは僕の体感ですが、センスのある優秀なデザイナーさんほど、センスだけではなく、きちんと理屈でデザインされているんですよね。

それくらい論理的に制作を進めている最中に「個人の感情」がいきなり入ってきたら、一つひとつ積み上げてきたデザインのバランスが一気にゆがんでしまいます。

デザインは周囲とつながり合って成立しているので、バランスが重要です。そのため、一箇所がおかしくなると全体がおかしくなってしまうのです。

最悪の場合、発注者ご自身が自分の主観に振り回され過ぎて、自分軸すら見失ってしまっているケースもあります。そんな状態で制作を進めたパンフレットやチラシのデザインが、ターゲットに刺さることはまずないでしょう。

やはり、主観という自分軸をいかに相手軸に持っていけるか、つまり常に「客観視」しながら作っていけるかが、効果の出るパンフレット・チラシ作りには重要なのです

パンフレットやチラシのデザインは「理屈」で進めた方が良い

パンフレットやチラシのデザインを「好み」で作ってはいけないことはおわかりいただけたかと思います。

ただ、じゃあすぐに客観視しながら理屈で作れるかといわれたら、それも簡単ではないと思いますす。

先述したように、一応プロとして長年やってきた私も、いまだに自分の制作物となると主観と客観のはざまで右往左往していますからね。

やっぱり人間、特に「自分のもの」となると、どうしても視野が狭くなって客観性を失ってしまうものなんですよね。思い入れが強い分、そうなるのでしょう。

そこで、私がパンフレットやチラシのデザインを進める際、客観性を保つために大切にしていることをご紹介したいと思います。

それは、今制作しているデザインについて「理屈で説明できる」ようにしておくことです。

なぜその色にしたのか、なぜそのフォントを選んだのか、なぜその写真の大きさでそのレイアウトなのか、すべて論理的に理屈で説明できるように心がけています。

そして実際、デザインをお見せする際、その理屈も一緒にお伝えするようにしています。

もし主観でデザインしていたら、「この色好きだから」とか「なんとなくいいかなと思って」という説明になってしまいますよね。

でもそんなの、説明にはなっていませんし、クライアントも納得しないでしょう。

だからこそ、必ず根拠を持ってデザインラフを考え、それにもとづいてデザインを上げ、それをまた理屈に合わせて修正し、そしてクライアントにご提案しています。

もちろんそれらの理屈の根拠は、常に「ターゲット」にあります。そこから一歩ずつ、積み上げてデザインを進めています。

ここまで読んできて、「ターゲットとか言われてもよくわからん」という方もいらっしゃるかもしれません。なので最後に、ターゲットとデザインの関連性について、わかりやすい例をひとつご紹介します。

あなたの会社で、一般の方を対象にしたイベントを実施することになりました。

そしてあなたは、イベントの募集チラシの制作担当者になり、以下の2通りのターゲットに向けたチラシを制作してくれと社長から頼まれたとします。

①同じ業界の50代の女性経営者向け
②同じ地域の5歳の保育園の女児向け

あなたなら、それぞれどんなデザインにしますか?もちろん頭の中でイメージするだけで構わないので、ちょっと想像してみてください。

ちなみに私なら、それぞれ以下のように制作を進めると思います。

(同じ業界の50代の女性経営者向け)
シックなカラーをメインに、文字はカチッとした明朝体で漢字も多めの文章でしっかり「イベントのメリット」を訴求し、全体的に上品でスマートな感じに仕上げる。

(同じ地域の5歳の保育園の女児向け)
ピンクや黄緑などのポップなカラーをメインに、可愛らしいイラストや写真、手書き風フォントなどを使って、文字は基本ひらがなで「イベントの楽しさ」が感じられるように仕上げる。

いかがでしょう?文字でしかお伝えしていませんが、これだけでもチラシの見た目が全然違うことはわかりますよね。

でも、自分の好みで作ってしまうと、この違いに目を向けないまま制作することになってしまいます。

その結果、①も②もターゲットに響かないデザインになってしまうのです。

ターゲットを無視して、自分の好みでパンフレットやチラシを作ることが、いかにもったいなく、そしてズレた行為になってしまうのか、おわかりいただけましたでしょうか。

「好み」でデザインを進めていくのは気持ちがいいものです。自分好みのクリエィティブが出来上がっていきますから、当然です。

でも、そこで満足してしまうと、そのパンフレットやチラシの効果も、そこで止まってしまいます。つまり、自分が満足するだけで終わってしまうということです。

「好み」というのはパンフレットやチラシを制作する際の根拠として非常に薄弱で、あいまないものです。

ゆえに、制作に携わるデザイナーなどの周囲の方々も困らせてしまうし、なによりもパンフレットやチラシを制作することで得られるはずだったリターンが得られない可能性が高まってしまうのです。

パンフレットやチラシのデザインは、自分の好みではなく、ターゲットの好みを推測しながら、しっかり理屈をもって制作していきましょう。

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この記事を書いた人

これまで、教育系出版社、編集プロダクション、デザイン会社などでライター・編集者として約20年、広報誌や会社案内、社内報に記念史、リーフレット、チラシなどを制作してきました。

独立した現在は、主に個人事業主や小さな会社の営業用パンフレットや販促チラシ、Webライティングなどを通して、お客様の強みを言語化し、価値を「カタチ」にするお手伝いをしています。

モットーは「いいパンフレットでいいコミュニケーションを、いいコミュニケーションからいいビジネスを」。

そのために、「つくること」がゴールではなく、「本当に役に立つ」「ビジネスにつながる」パンフレット・チラシをつくります。

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