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インタビュー取材が苦手な広報さんへ|取材当日の不安が減るノウハウ7選

インタビュー当日の不安に困っている女性

前回、インタビュー取材が苦手な企業の広報担当者さんやライターさん向けに、インタビュー取材の「事前準備」の不安を減らすためのノウハウをお伝えしました(『インタビュー取材が苦手な方必見!事前準備の不安が減るノウハウ4選』)。

でも、インタビュー取材が苦手な方にとって、最も不安なのは「取材当日」でしょう

というわけで、前回に続いて今回は「取材当日」の不安が減るノウハウをご紹介します。

今回もご紹介するのは、延べ1,000名以上にはインタビューしてきた私の体験をもとにしたノウハウなので、実践的な内容になっております。

また、今回のノウハウも、前回同様、広報誌や会社案内パンフレットなどの紙媒体に載せるもの、つまり最終的には「文章」として載せるインタビューを想定しています。

その場で聞いて完結する、動画などのインタビューとは違ってくると思いますので、ご了承ください。

目次

インタビュー取材自体は0点でもOK

まず最初に、皆さんの不安を解消し、勇気を与える事実をお伝えします。

最終的に文章にするためのインタビュー取材であれば、極論、インタビュー自体は0点でも構いません!

なぜなら、インタビュー取材後のライティング工程で挽回できるからです。

読者はインタビュー取材の段階のことなどわかりませんから、読者が直接ふれる文章がうまく書けていれば、それでOKなんです。

もちろん、インタビュー取材がうまく進むに越したことはありませんよ。でも、毎回、インタビュー取材が思い通りに進むとは限りません。

そもそもインタビュー取材って「協同作業」ですから、取材対象者が非協力的だったり、お話が苦手な方だったりしたら、うまく進めることが難しくなります。

そんな時は、というか、そんな時こそ、ライターの力が試される時だと私は思っています。

たとえ、グダグダのインタビュー取材になったとしても、そこから使える要素やフレーズを抽出して、最終的にしっかりした記事に仕上げればいいのです。

インタビュー取材の記事は、ライティング次第で挽回できる。この大前提を知っておくだけでも、取材当日の不安が減るんじゃないでしょうか。  

では、ここからはもう少し細かいノウハウについて書いていきたいと思います。

インタビュー取材はフランクな喋り方でOK

まずお伝えしたいのは、インタビュー取材の時には、そんなにかしこまって喋らなくてもいいということです。

インタビュー取材の経験が少ないと、緊張からか丁寧になりすぎる人がいます。でも私は、むしろ、ちょっと砕け気味なくらいの方がいいと思っています。

なぜなら、人間って、こっち側がかしこまって喋ると、相手も同じトーンで喋ってしまうものだからです。

そうするとお互いにかしこまったまま、つまり、相手と距離感があるまま話が進んでいくため、お話を聞きにくい雰囲気になりかねないのです。

そもそもインタビュー取材では、取材対象者も緊張していることが多いですからね。

もちろん、挨拶などの最低限のマナーは必須ですが、取材自体はフランクに、いきなりグッと距離を縮めるくらいの意識で臨んだ方が、良い話を引き出せると思いっています。

繰り返しますが、インタビュー取材とは話を聞くための行為です。

初対面だからといって丁寧に距離感を保つことは、インタビュー取材の場に限ってはデメリットになりかねません。

インタビュー取材では話が脱線してもOK

インタビュー取材で話が脱線することは珍しくありません。そんな時、焦って元に戻そうとしていませんか?

少なくとも私はそんなことはせずに、むしろ脱線した話に乗っています。

なぜなら、脱線した話の内容が、後から本筋の話と結びついてくることがよくあるからです。点と点がつながるってやつですね。

なので、数分程度の脱線なら私はその流れに身を任せながら、色々お話を引き出すように心がけています。

結局、本線の話も脱線の話も同じ人から出てきているわけですから、深掘りしていけば、どこかでつながるのも必然といえます。

インタビュー取材で肝心なことは、相手に「気持ちよく話してもらう」ことで、話を引き出すことです。そのためには、変に相手をコントロールしない方が良い時もあるのです。

もちろん、インタビュー取材のリミットが迫っている時は別です。そんな時は、聞き手側がコントロールして、サクサクと進めていきましょう。

インタビュー取材では間が開いてもOK

インタビュー取材の際、取材対象が答えを考え込んだりして、間が開くことがありますよね。

そして、その間を嫌がる方が結構います。

私のイメージでは、それはライター自身というより、インタビュー取材を側で見ているクライアントの担当者の方に多い気がしています

そしてライターも、担当者の顔色を気にしてそういった間を避けようとしてしまう…みたいなことが少なくないような。

でも、はっきり言いますね。

インタビュー中、相手が考え込んで、あるいは答えに窮したりして発生した間は、気にしなくても大丈夫です。

むしろ、その間を我慢できるかどうかが、良いインタビューとそうでないインタビューの別れ際になるとさえ思っています。

どういうことかというと、以前、実際にこういう出来事がありました。

とある、ものづくり系企業に取材に行った時のことです。その時、私は編集のみの担当で、インタビュー取材とライティングは外注さんにお願いしていました。

そして、その外注ライターさんは、取材相手である社長さんが「う〜ん、そうですねえ」と答えを考え込むたびに発生する間を、静かに待っていました。

それを見ていたクライアントの担当者が、あとで私に「あのライターさんは、間ができた時に何も喋らないので、よくない。もう使わないでほしい」という主旨のことをおっしゃったのです。

それに対し私は、全く同じ理由で逆のことを言いました。つまり「あそこで黙っていられるって、経験豊富なライターさんだと思いますよ」と。

相手が答えられずに間ができている時、ライターが喋ってしまうとかなりの確率で相手はそれに乗ってきます。悪い意味での助け舟になってしまうからです。

でもそうすると、ライターが誘導する形になってしまい、取材対象の本心ではない答えが出てきてしまう可能性があるのです。

私はこう続けました「経験の浅いライターさんは、あの間が耐えきれず何か喋ってしまい、誤誘導してしまいます。でもあの方のように、相手が考えて間が開こうが時間がかかろうが、じっくり待てる方は信頼できると思いますよ」と。

実際、そのライターさんは取材歴も豊富なベテランさんでしたし、そのインタビューでも、じっくり待ったお陰で良い回答が出てきていました。

取材ライターにとって最も大切な仕事は「喋ること」ではなく「聞くこと」です。

取材対象が「う〜ん」と考え込んでしまうと、確かになにかを言って助けてあげたい気持ちになりますが、相手は一生懸命考えて言葉を出そうとしている最中なのです。

ですので、そこで聞き手側がしゃべってしまうとその思考を遮ってしまうのです。

逆に、その間を待つことができれば、すごく良く考えられた素敵な回答が出てくるかもしれないのです。

インタビュー取材の際は、ぜひ、間が開いても気にせず、埋めようとせず、じっくり待ってあげてみてください。

インタビュー取材で同じ質問をすることは全然OK

インタビュー取材において、同じ質問なんかしたらダメだと思いますよね。基本的にはそうなんですが、私は例外があると思っています

それは、取材対象の方が答えられなかった質問や、答えたとしても、あまり良い(記事にしにくい)答えだった場合です。

え?答えられなかったり、良い答えが出てこなかったのなら、繰り返しても意味がないのでは?と思いますよね。

それが不思議なことに、1回目は答えられなくても2回目に同じ質問をすると答えが返ってくるケースがよくあるのです。

ただ、コツが2つあります。ひとつめは、1回目と2回目で、時間をあけて聞くことです。

1回質問した直後にもう一度聞けば、当然「だから、わからないって答えたじゃないか」って思われるでしょう。

でも、時間をおいて、つまり、その間に他の質問をいくつかやり取りした後で同じ質問をすると、その間に思考が整理されるからなのか、なぜか意外とスッと答えてもらえることがあるんですよね。

そして、ふたつ目のコツ。それは、1回目と同じ質問といっても、聞き方や単語を変えて聞くことです。

例えば、最初の質問で

「ご自身の業務において一番、喜びを感じるのはどんな時ですか?」

と聞いたところ「う〜ん、思いつかないですねえ」と返ってきた方に、時間をおいて再度聞くときは、

「毎日のお仕事の中で、うれしい瞬間ってあったりしますか?」

と聞き直すとか。

本当にそれで?と思われるかもしれませんが、結構それで、答えが返ってくるものなので、ぜひ一度、試してみてください。

インタビュー取材では自分の言葉を書いてもOK

インタビュー取材では自分の言葉を書いてもOKとはどういうことかわかりますか?

つまり、こういうことです。

【実際のインタビュー】
私「業務の中で喜びを感じる瞬間を教えてください」
相手「うーん、どんな時かなあ…ちょっとすぐには出てこない…」
私「やはり、お客様にお礼を言われた時などはうれしいのでは?」
相手「まあ…それはそうですね」

【文章にした場合】
私が業務において最も喜びを感じるのは、やはりお客様にお礼を言っていただいた時です。

このように、インタビュアーが発した発言でも、文章化する際には相手が話した言葉として書いてもOKだという意味です。

といっても、別にそういうルールがあるわけではなく、私がそう考え、実行しているだけですけどね。

この方法は、取材対象者さんが口数の少ない方だったり、リアクションの薄い方だった場合にとても有効です。

そしてポイントは、取材対象者が「肯定した」内容に限ってという点です。さすがに否定した内容や、否定も肯定もしていない内容を書いたりはしません。

最低限そこさえ守っていれば、自分の発言でも相手の発言として書いてもOKという意識で私はいつもインタビューとライティングを進めています。

一応、この方法で文章化した内容をチェックしてもらった際に、クレームを頂いたことは一度もありません。

ですので、取材対象者がお話が苦手な方だったりしたら、この方法を使ってみてはいかがでしょうか。

インタビュー取材の進め方に「正解」はない

ここまで、インタビュー取材当日の不安を軽減するノウハウをお伝えしてきました。

ここまで散々語っておいてなんですが、インタビュー取材の方法なんて十人十色であって、「正解」はないと思うんです。

あるとしたら、一人ひとりにとっての「最適解」でしょう。

つまり何が言いたいかというと、インタビュー取材に関する色んなブログ記事には、「こうしなければいけない」とか「これをしてはいけない」などとまことしやかに書かれていますが、それは参考程度にして、ご自身が進めやすい方法を見つける、要するに、あなた自身の「最適解」を見つけることが最も大切だと思うのです。

今回お伝えしたノウハウが、みなさんの最適解探しのお役に立てたら、とてもうれしく思います。

インタビュー取材にお困りのご担当者様は、ぜひ、お問い合わせフォームよりご相談ください。丁寧に汲み取るインタビューと、正確に言語化したライティングを提供させていただきます!
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この記事を書いた人

これまで、教育系出版社、編集プロダクション、デザイン会社などでライター・編集者として約20年、広報誌や会社案内、社内報に記念史、リーフレット、チラシなどを制作してきました。

独立した現在は、主に個人事業主や小さな会社の営業用パンフレットや販促チラシ、Webライティングなどを通して、お客様の強みを言語化し、価値を「カタチ」にするお手伝いをしています。

モットーは「いいパンフレットでいいコミュニケーションを、いいコミュニケーションからいいビジネスを」。

そのために、「つくること」がゴールではなく、「本当に役に立つ」「ビジネスにつながる」パンフレット・チラシをつくります。

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