パンフレットやチラシなどを作ったことがある、個人事業主や小さな会社の皆さま。
せっかくつくったのに、こんな経験、ありませんか?
「強みや価値をうまく文章にできない…」
「渡しても目を通してもらえない…」
「いまいち反応が薄い…」
こうなると、やる気はしぼんでいき、パンフレット制作がただの苦行になるという、負のスパイラルに陥りますよね。
こんにちは、eパンフLabのシガと申します。
これまで僕は、編集ライターとして約150社のクライアントと、200種類以上のパンフレットやチラシをつくってきました。
その経験を振り返ると、この「パンフレット・チラシが読まれない問題」は、決して珍しい話ではありませでした。
そこで、これまで僕が関わってきた実際の制作事例をもとに、この問題の改善策を2回に分けて解説します。
まずは、「考え方のコツ」。次が「決め方のノウハウ」です。
担当者さまと交わした実際のやりとりを例に、具体的にお話ししますので、パンフレットやチラシの制作に不慣れな方でも、すぐ取り掛かれるコツとノウハウになっています!
制作目的・ターゲットはデザインや文章より重要な指標
「もっと読まれるパンフレットやチラシをつくりたい!」
その願いを実現する改善ポイントはいくつかあります。
というと、多くの方は「おしゃれなデザイン」とか「わかりやすい文章」、「斬新な企画」みたいなポイントをイメージされるかもしれません。
もちろん、それも読まれるための改善点です。
ただ、それよりも最初の段階に、時間をかけて見直すべき点があります。
それが、
「制作目的とターゲット」
です。
まず、制作目的とターゲットとはなんぞや?というところからお話しします。
制作目的は、発行目的ともいいますが、いずれにしろ言葉の通り、パンフレットやチラシを作る「理由」ですね。
例えば、会社案内パンフレットだと制作目的は大体こんな感じでしょうか。
- 新規開拓の営業用
- 企業のブランディング用
- 求人・リクルート用
- IR(株主・投資家向け)用
- 自社の事業・サービスの紹介、名刺代わり
次に、ターゲットについて。
ターゲットとは、要するにそのパンフレットを読んでほしい「読者」のことです。
同じ会社や組織が出すパンフレットでも、例えば、会社案内なら社外向けですし、社内報なら社内向けですから、想定読者は異なります。
また、「求人・リクルート用」か「IR(株主・投資家向け)かでも当然、想定読者は違いますよね。
つまり、制作目的とターゲットは、どんなパンフレットを作る際にも、重要な指標となるものなのです。
制作目的・ターゲットはパンフレットの「設計図」
ただ、重要な指標であるにもかかわらず、正直、これまで多くのクライアントが、その点よりデザインや企画、文章、キャッチコピーなどに時間をかけられていました。
デザインなどに時間をかけることは全然いいんです。要は順番の問題です。
パンフレットやチラシ作りの指標となるの制作目的・ターゲットは、家づくりに例えると「設計図」です。
そして、デザインや文章などは、設計図をもとに建てていく柱や外壁、内装、あるいはインテリアといったところでしょう。
つまり、制作目的・ターゲットを決めずにパンフレットやチラシ作りを進めることは、設計図ができていないのに、どんどん家を建てているようなものなんです。
制作目的・ターゲットを決めないまま考えられた企画やデザイン、文章は、どんな属性の読者にも刺さりにくいため、多くの人に「自分向けの内容ではないな」と思われてしまいがちです。
だから、読まれないというより、ページを開いても興味が湧かず、すぐに閉じられているんじゃないかと推測しています。
パンフレット・チラシ作りにおける制作目的とターゲットは、何よりも重要な「設計図」であるという考え方を、まずはおさえておいてください。
実は多い、曖昧なままの制作目的・ターゲット
ここからは、実例をもとにしたエピソードになります。
じゃあ、今まで僕が携わってきたクライアントは、実際どの程度、制作目的やターゲットを決めて制作に臨んでいたのか?という点についてです。
実際のところ、制作目的・ターゲットを「まったく」「なにひとつ」決めずに制作されていたケースは、さすがに少なかったように思います。
とはいえ、きっちり定められていたクライアントもほぼいませんでした。
じゃあどういう感じだったのかというと、多くの場合が、
「曖昧」
でした。
別の言い方をすると「大きな言葉」のままでした。
例えば、ある部品メーカーさんの社内報では、制作目的を「社内コミュニケーションの活性化」と定めていました。
(※ここからのノウハウは社内報を例にしますが、会社案内やチラシでも考え方は同じなので、脳内変換してお読みください!)
ただ、担当者さま曰く「あまり読まれておらず、活性化の実感もありません」とのこと。
なるほど、そうかもしれません。だって、「社内コミュニケーション」といっても下記のように色々ありますから。
<社内コミュニケーションの例>
- 部内の同僚との交流
- 部署を超えての連携
- 離れた事業所との協働
パッと思いついただけでも、これだけ社内コミュニケーションには種類があります。
にもかかわらず「社内コミュニケーション」という大きな言葉でくくってしまうと、色んな意味を含んだ曖昧な制作目的になってしまうのです。
実は多い、ターゲットが「前提どまり」のパンフレット
では、ターゲットの場合はどうかというと。
同じ社内報の担当者様に「ターゲットは?」と伺ったところ、
「社内報ですから‥‥‥社員?」
と返ってきました。
間違いではないのですが、それはターゲットというより、「前提」ともいえる大きなくくりです。
社員といっても、20代の若手から30〜40代の中堅、定年間際のベテラン、男性社員、女性社員と、属性はさまざまです。
この属性レベルまで分解してようやくターゲットになるので、「社員」という大きなくくりのままでは、ターゲットはあってないようなものです。
また、あるソフトウェアメーカー様の会社案内の制作に際して、ターゲットは?とお尋ねしたところ、
「ウチの商品はBtoBですから、会社案内はすべて法人向けです」
と返ってきたこともありました。これも前提ですね。
いくら「BtoB」といっても、すべての法人がターゲットではないはずです。仮に、全法人がターゲットだったとしても、その中で、
- 何人規模の法人を相手にしたいのか
- どの地域の法人に注力したいのか
- 特にどんな業界に入り込みたいのか
などなど、会社の方針によって分解は可能なはずです。
多くのケースにおいて、こうした曖昧かつ、大きな言葉のままの制作目的・ターゲットで制作が進められていました。
これも家づくりで例えると、フリーハンドで描いただけの設計図、といった感じでしょうか。大体の間取りくらいしかわからない、みたいな。
これでは家は建てられません。でも、建てちゃってるんです。
もちろん、それでできあがったパンフレットやチラシの内容が、ターゲットの興味を喚起することは難しいでしょう。
ここで、最初に提示した一般的な会社案内の制作目的の例を思い出してください。
(会社案内でよくある制作目的)
- 新規開拓の営業用
- 企業のブランディング用
- 求人・リクルート用
- IR(株主・投資家向け)用
- 自社の事業・サービスの紹介、名刺代わり
いかがでしょう。
このままでは、どれもまだ前提段階ですよね。
でも、このレベルの設計図のまま制作を進めてしまうことがよくあるのです。
では、こうした大きな言葉の制作目的やターゲットはどう改善したらいいのか?
もうすでに何度か出てきましたが、キーワードは「分解」です。
その具体的な方法について、ここから話すとめっちゃ長くなってしまうので、次回のコラム「制作目的とターゲットの『決め方』のノウハウ」で詳しく解説していきたいと思います!
制作目的とターゲットの「考え方」のまとめ
今回の「考え方のコツ」の内容をざっとまとめると、こんな感じになります。
- 制作目的とターゲットは、デザインや文章より重要な「指標」であり、最初に決めるべき「設計図」
- 曖昧な「設計図」のまま制作を進めているケースは多い
- 曖昧な制作目的とターゲットのままだと、どんな属性の読者の興味もひかない
- 曖昧な制作目的とターゲットは「分解」していく必要がある
ということで、「曖昧なままの制作目的・ターゲットの改善」に興味のある方は、ぜひ上記で紹介しました、次のコラムを参考にしてください。
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