紙の事業案内や会社案内パンフレットって、以前はどんな会社もつくってましたよね。
事業者にとって「必需品」のような存在でした。
でも今、「Web サイトはあるけど、会社案内パンフレットはつくってない」という事業者が増えています。
個人事業主でもWebサイトがあって当たり前の今、事業者の必需品のポジションにはWebサイトが収まっている気がします。
もはや、多くの方が「わざわざパンフレットを作ってもメリットはない」と考えているのかも……。
いえいえ、そんなことはありません!
確かに、「とりあえずWebサイトと同じ内容を並べました」的なパンフレットでは、何のビジネスメリットにもつながらない可能性が高いでしょう。
対面時に手に取ってもらうことで「手持ちぶたさ感をなくす」くらいの効果しかないでしょうから。
でも、紙媒体の特徴や強みをしっかり踏まえて作れば、効果的な販促・営業ツールになるはずです。
むしろ、紙のパンフレットやチラシには、Webサイトにはない「強み」がたくさんあります。作り方や使い方によってはWebよりも役立つツールになるのです。
そこで!
このコラムでは、紙の事業案内や会社案内パンフレット、チラシなどを作る前に知っておきたい「紙媒体の強み」について、お伝えしたいと思います。
このコラムは、個人事業主さんや小さな会社の方の中でも、
・事業案内や会社案内パンフレット、チラシがまだない方
・作ろうか迷っている方
・効果的な作り方がわからない方
の参考になればと思っております。
パンフレットの強みは「潜在的ニーズ」を掘り起こせる点
パンフレットとWebサイトは、「Webの方が便利」とか「紙の方が安心感がある」とか、対立構図で捉えられがちです。
でも、紙のパンフレットとWebって、どう考えても求められる「役割」が異なる、まったく別のツールなんですよね。
そのため、どっちが上とか下とかではなく、別物として、それぞれに適した役割を理解することが大切です。
例えば、Webサイトに来られる方は、必ず何かを知りたいと思って「検索」をかけています。つまり、ご自身がニーズを自覚している、ニーズが「顕在化」している状態です。
そうした方が求めるものは、検索内容に関する回答でしょう。言い換えれば、素早くて的確な「リアクション」です。
一方、紙のパンフレットやチラシは事業者側から配布したり手渡したりするツールですから、相手がニーズを把握しているとは限りません。
特に、新規営業の際などは、こちらの商品やサービスに対する先方のニーズはまだ潜在的で、本人もその必要性に気づいていないケースが多いでしょう。
紙のパンフレットやチラシは、こうした潜在的ニーズを掘り起こし、必要性を感じてもらう際に力を発揮するのです。
では、どんな強みが潜在的ニーズの掘り起こしにつながるのか、具体的にご紹介していきます。
パンフレットは「対面営業」に適した紙媒体
例えば対面での営業など、直接相手に「アクション」をかける際に、しっかり作り込んだパンフレットやチラシがあれば強力な武器となります。
特に、初めての商談や新規営業の際でも、スムーズに自社の商品・サービスの必要性をアピールできます。
どんなターゲットを想定しており、ターゲットの中のどんなニーズを掘り起こしたいのか。
それらを整理して制作すれば、きっと効果の高い、つまり、ビジネスメリットを得られる販促・営業ツールになるはずです。
ちなみに、ターゲットに読まれるパンフレットの作り方は、こちらのコラム「読まれるパンフレットへ改善!制作目的とターゲットの「決め方」のノウハウ」に詳しく書いていますので、参考にしてみてください。
パンフレットは「記憶」に残る営業に適した紙媒体
最近では、デジタルパッドの画面をスクロールさせながら商品やサービスを説明するケースが増えています。
確かに、商品写真をたくさん見せたいとか、動画を見せたい場合ならデジタルパッドはスムーズでしょう。
ただ、デジタル画面は「読む」というより「眺める」に近い感覚になります。
パッと見て分かりやすい分、「記憶」より「印象」に訴えかける伝え方だといえます。
その点、紙の事業案内パンフレットやチラシはそもそも「読み物」です。
キャッチコピーに本文に写真と、ロジカルに構成されているので、パンフレットの内容に沿って営業トークを展開すれば、しっかり順序立てて、相手の記憶に残る伝え方ができます。
理屈よりも商品のビジュアルを伝えたい業種の方、または、ECサイトなどWeb上のやりとりだけで人と会うことなく事業が完結していている方は、確かに紙のパンフレットやチラシを作っても効果は低いかもしれません。
逆に、人と対面することが多く、しっかり「読んでもらいたい」ことがある方、きちんと順序立てて「記憶に残る」営業を展開したい場合は、紙のパンフレットやチラシが強い味方になるはずです。
パンフレットなら置いてくることもできる
また、記憶に残る営業という意味では「見込み顧客のもとに置いてこれる」という紙媒体だからこその強みも見過ごせません。
相手の手元に置いてくることができれば、その後、見込み顧客の興味が湧いた時に、いつでも開いて再読してもらえます。
Webサイトを見るにはPCを開け、電源を入れ、検索する必要があります。
でも、まだ知られていない会社(商品)は、よほど興味が湧かない限り、上記の行動をしてまで検索してもらえません。
その際、「あれ?さっきの人なんて会社(商品)だっけ?」と名前を忘れられたら検索もされません。
が、紙の会社案内はどこでも、すぐに読むことができます。それこそ会社名を忘れられても、そこにあればいつでも見てもらえます。
実は、紙のパンフレットやチラシって情報にアクセスしてもらいやすい媒体なのです。
パンフレットは物理的な安心感・信頼感にもつながる
紙のパンフレットやチラシは手に持つことができるため、お渡しすれば一定の物理的安心感も持ってもらえます。
やはり、初めての説明を画面だけを見せられながら聞いているより、同じパンフレットを手にしながら説明を聞いた方が安心感はあるでしょう。
同時に、信頼感を持ってもらえます。
きちんとした内容の事業案内パンフレットやチラシを作っている事業者が減っているなら、逆に、そこにもコストをかけていること自体、信頼の担保となり、競合との差別化にもなるからです。
パンフレットを作るならWebと併用してこそ効果が上がる
以上が、紙の事業案内パンフレットやチラシを作る前に知っておきたい紙媒体の強みです。
まとめると、Webサイトはニーズが顕在化している方への「リアクション」であるのに対し、事業案内パンフレットやチラシは、ニーズがまだ潜在的なターゲットに「アクション」をかける際に役立つツールであり、その際はWebにはない強みを発揮するということです。
どちらも作るのであれば、まずはパンフレットやチラシで「アクション」をかけて自身の商品やサービスの存在を知ってもらい需要を喚起した上で、興味を持ってくれた方をWebサイトに誘導し、さらに詳細な情報を「リアクション」として届ける、という流れが最も自然な気がしています。
せっかく作るなら、事業案内パンフレットやチラシはWebサイトと別物であり、併用するとさらに強みを発揮するツールだと捉えて作ってみてください!
きっと、今までとは違った効果が表れると思いますよ。
いかがでしょう、参考になりましたか?
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