大阪吹田の編集ライティング&デザイン制作

小さな会社や個人事業主にメリットがある事業案内パンフレットの作り方

メリットになる事業案内パンフレットを作るフリーランスの人の手

皆さんは、事業案内や会社案内パンフレットを作っていますか?

作っているなら、その1冊はビジネスの役に立っていますか?

最近は、Webがあるからという理由で、紙の事業案内パンフレットなどを作る方が減っているようです

もし作ったとしても、Webサイトとほぼ同じ内容を載せているケースが増えているように感じます。

でも、前回のコラム「事業案内パンフレットを作る前に知っておきたい紙媒体の強みとは?」の中で、その方法は楽ではあるけど、結局、相手に読まれる可能性は低く、そのうち社内でも使われなくなっていき、「作っただけ」パンフレットになってしまうとお伝えしました。

せっかく事業案内や会社案内パンフレットを作るなら、紙媒体の特長を踏まえた上で、Webサイトとは異なる内容を載せないと、メリットは得られません

では、具体的にどんな内容を載せれば紙の事業案内は強みを発揮し、ビジネスにおいてメリットを得られるのか?

今回のコラムでは、特に小さな会社や個人事業主がメリットを得るための事業案内パンフレットの作り方をご紹介します。

目次

事業案内パンフレットは「読み物」として作る

前回のコラムで、事業案内パンフレットは「キャッチコピーに本文に写真と、すべてロジカルに構成されているので、論理的な訴求に向いた媒体」だとお伝えしました。

そのため、「パンフレットの内容に沿って営業トークを展開すれば、しっかり相手の記憶に残る伝え方ができる」。つまり、紙の事業案内は「読み物」であると。

そのため、事業案内パンフレットの効果を高めるには、急がば回れじゃないですが、読み物として成立するくらい時間をかけて内容を練り、ターゲットが求める情報を推測して載せた方が、結局、費用対効果は高くなるのです。

逆に「あればいいや」的に適当に作ると、効果はガクンと下がり、少ない手間と時間とお金とはいえ、ほぼムダになってしまいかねません。

では、なぜ読み物として作ると良いのか、具体的にご説明していきます。

情報を「パッケージ化」して載せたパンフレットが差別化になる

Web サイトは、ニーズがすでに顕在化している、つまりほしいもの・知りたいことを自覚しているユーザーが、検索を通して興味のある個々の情報(ページ)にアクセスする媒体です。

自分の知りたい情報に素早くたどり着ける反面、得られる情報はページごとに異なるため断片的です。

一方、事業案内や会社案内パンフレットは、こちらの伝えたい情報を「体系的」にまとめて届けることが可能です。

しかも、こちらからのアクション(営業)に使えるツールなので、まだニーズが潜在的な方々の需要を喚起することができます。

例えば、商品やサービスの情報だけでなく、そこに「組織としての考え」や「顧客への思い」なども一連の情報として1冊の中に「パッケージ化」してみてはどうでしょう。

うまくまとめられれば、紙の事業案内パンフレットが読み物である点とも親和性が高いことから、Webとは異なる効果を発揮するだけでなく、競合との差別化も図れるツールになると思います。

「顧客への思い」や「組織としての考え」やなどは、特に小さな会社や個人事業主の場合、見込み客に選ばれる際の重要な判断材料になる可能性が大きいですからね。

事業案内パンフレットを作るなら、伝えたい一連の情報の中にご自身の「思い」や「経歴」、競合にはない「強み」「特徴」なども含めることで、差別化を図れるツールになると思います。

パンフレットは最後まで読まれやすく、しっかり伝わりやすい

しかも、そのパッケージ化した一連の情報を、最後まで読んでもらいやすいという点も事業案内パンフレットの強みでしょう。

Webの画面だと、読むというより「眺める」に近いですよね。実際、Webの文章はサラサラと読んでしまったり、途中でやめてしまったりしがちじゃないですか?

これは、単純に紙の誌面とデジタルの画面の読みやすさの違いもあると思いますが、そもそも、ユーザーがWebサイトを検索する理由は、検索結果を知りたいからであり、文章を読みたいからではないことにも起因しています。

その証拠に、Webサイトでは、ユーザーへの回答を文頭で結論として提示する書き方が主流ですよね。PREP法ってやつですね。

一方紙のパンフレットの場合、読者は文章を読むことを前提にページを開きます。

ライターも最後まで読んでもらえるように構成を考えてライティングしています。起承転結ですね。

さらに、PC画面だと読んでいる最中にメールが届いたり、広告がちらついたり、集中を阻害する要素が多々ありますが、パンフレットにはそうした邪魔も入りません。

そういったことからも、紙の事業案内パンフレットは最後まで読まれる傾向が高いといえます。

事業案内パンフレットがあれば、大企業のような知名度を持たない小さな会社や中小企業が、自社の「パッケージ化された情報」を「最後まで読んでもらえる」というメリットがあることは、結構見過ごされている点だと思います。

小さな会社・個人事業主のパンフレットは「個性的」な内容ほどメリットになる

では次に、小さな会社や個人事業主がメリットを得るための「作り方」についてお話しします。

結論からいうと、最も重要なポイントは「個性」です。

実は、掲載内容やデザインの自由度は、Webより紙の方が高いって知っていましたか?

Webの場合、基本的に内容は検索キーワードを基準に作る必要があるため、自由に企画しにくい部分があります。

あくまでも検索への回答が役割ですからね。

その点、紙の事業案内や会社案内パンフレットは、ターゲットの興味からそれていなければ、自由に内容を考え、載せることができます。

また、Webサイトでは文字量は気にする必要ありませんが、意外と自由にデザインしにくい面があります。

一方、パンフレットは紙面の都合上、文字数に限界はありますが、デザインの自由度はWebより高いといえます。

こうした媒体特性から、Webサイトより紙媒体の方が「個性」を出しやすい、言い換えると「攻めた」内容のパンフレットを作りやすいのです。

これは大企業は意外と実行しにくく、逆に、小さな会社や個人事業主には大きなメリットとなる点だと思います。

では、小さな会社や個人事業主はどのように個性を出せばいいのか?

その際に気をつけたいことと一緒に、ご紹介していきます。

小さな会社や個人事業主のパンフレットは「ストーリー化」がポイント

小さな会社や個人事業主が、事業案内や会社案内パンフレットでメリットを得るには、商品・サービス紹介だけでなく、経営者の考えや経歴などもパッケージ化して載せた方が良いと先述しました。

そのプラスαの情報こそ、小さな会社や個人事業主が積極的に載せるべき「個性」だと考えています。

なぜなら、個人事業主は「本人も商品」だといわれます。同様に、小さな会社や中小企業も「経営者」自身が会社を体現しているからです。

そして、それらの個性を載せる際に最も適した手法が「ストーリー化」です。

トップの方が、どんな考えで事業をスタートさせ、どんな価値を顧客に提供したいと考え、どんな未来を描いているのか、そういった内容をストーリー化することで、読み手にも無理なく受け取ってもらいやすくなるのです。

ストーリーといっても小説のような壮大な物語を載せましょう、という意味ではありません。

商品やサービス、会社の情報だけをそのまま載せるのではなく、なぜその事業を始めるに至ったのかという「背景」や、その商品・サービスを扱うことになった「必然性」などをあわせて伝えればいいだけです。

大手企業の場合、そこまで背景情報を訴求する必要はないかもしれません。

世間が、どんな商売でどんな企業カラーなのか、大まかに理解しているからです。

でも、小さな会社や個人事業主の場合、商品やサービスも大切ですが、なぜその事業を始めたのかといった「背景」は非常に重要な訴求ポイントです。

それぞれの背景からは、その組織の事業や顧客への思いが読み取れる上に、社風やトップの人柄、つまり個性が垣間見えるからです。

特に、新規の対面営業で見込み顧客が知りたいのは、扱っている商品・サービスの価格やクオリティもさることながら、どんな人たち(会社)なのかということでしょう。

こういう思いから起業しました→だからこうした商品を開発しました→そのためこうした方々に喜んでもらえたらうれしいです!といった背景とともに商品やサービスを紹介すれば、自然とストーリー化された個性を伝えることができるのです。

その結果、商品をお薦めする際にも説得力が増し、たとえ同じ商品でも他社との違いを明確にすることができます。

そして何よりも、見込み顧客と自社の背景を共有できれば、信頼関係構築にもつながるはずです。

つまり、単なる商品アピールのツールではなく、会社自体に「興味を持ってもらう」あるいは「好きになってもらう」きっかけとなるツールになるのです。

これだけ情報が溢れている今、物量勝負の営業よりも、「好きになってもらえる」「ファンになってもらえる」ツールによるアプローチの方が、小さな会社や個人事業主にとっては効果があります。

個性を打ち出したパンフレットの文章に「建前」はNG

では、ご自身で事業案内パンフレットの文章を書きたいという方のために、会社や経営者の個性を載せる際に意識していただきたい、2つの注意点をお伝えしておきます。

まずは、「建前や美辞麗句は書かない」ことです。

いくら個性が打ち出されていても、その中で商品やサービスを自画自賛しまくっていたら、今の時代では逆効果です。

自社のことですから、盛り気味で伝えたくなるのが人情です。

でもそこは、美辞麗句で飾って褒めるより「事実」を書くように意識しましょう。

そして、「建前的な文言」もNGです。なぜなら、トップが発信する建前は誰にも届かないからです。

分かりやすい例が「偉い人の挨拶」です。

今までに誰もが入学式や卒業式などで「偉い人の挨拶」の洗礼を受けてきたはずです。

長い、つまらない、だから何も響かない、そして何も覚えていない…。

それは、話の内容が本音ではなく建前だからです。建前は頭には入ってくるけど、印象には残りません。

逆に、個性が表れていて面白く、心に残りやすいのが本音です。

確かに、超大手企業のトップが個性的な本音を、会社案内の挨拶文でぶっちゃけるのは難しいでしょう。

でも、小さな会社や個人事業主はそれができるのです。

むしろ、その「個性を出した本音」に共感してもらうことこそが「好かれること」にもつながり、競合他社との差別化にもなるのです。

小さな会社や個人事業主が紙の会社案内でメリットを得るには、建前的な内容ではなく、本音の言葉を大切にしましょう。

建前を避けるにはターゲットに目線を合わせる

もうひとつの注意点は、「ターゲット」に目線を合わせる、ということです。

再び、偉い人の挨拶を例にしますね。

例えば、校長先生が朝礼でこんな話をしたとします。

「寒くなって風邪が流行ってきました。みなさん帰宅した際はきちんと手を洗って、うがいをしていますか?手洗いとうがいは風邪の予防効果が高いので、必ず忘れずに行ってください」

こんな話をして、きちんと聞いてくれる小学生は少ないでしょう。この内容を本当に小学生に届けたいなら、子どもの目線にあわせて話すことが大切です。

例えばこんな感じではどうでしょう?

「最近、風邪が流行ってるけど、みんな帰ったらちゃんと手を洗ってうがいしてる?先生実はさ、めんどくさいから最近、手洗いもうがいもしてなかったんだ。そしたら本当に風邪ひいちゃって、高熱が出てすごくしんどかったんだ。しかも、手を洗ってなかったことを奥さんに言ったら、めちゃめちゃ怒られたし。そっちの方がつらかったなあ。やっぱ手洗いうがいって、ウイルスをやっつけてくれるんだね。みんなもしようね。(ヒソヒソ声で)お母さんに怒られないですむしね!」

どちらが小学生の興味を引くかは明白でしょう。

ターゲットに目線を合わせた本音が、建前的で、つまらない内容になるケースは少ないはずです。

事業案内や会社案内パンフレットの中で個性を打ち出すには、本音で、ターゲットに目線を合わせて、伝えるようにしましょう。

会社案内パンフレットはWebとの併用で相乗効果が生まれる

ここまで、小さい会社や個人事業主がメリットを得るためのパンフレットの作り方をご紹介してきました。

これらの特長を踏まえた上で改めて思うのは、やはり、パンフレットはWebサイトと互換できるツールではなく、役割がまったく違う、併用してこそ相乗効果を発揮するツールだということです。

例えば、まずは事業案内パンフレットやチラシで「アクション」をかけ、自身の商品やサービスの存在を知ってもらい需要を喚起した上で、興味を持ってくれた方をWebサイトに誘導し、さらに詳細な情報を「リアクション」として届ける、という併用の仕方がベストなんじゃないかと思っています。

そして、その対面営業や商談の場で、ストーリー化されたあなた(or 会社)の個性や背景をしっかり伝えることができれば、大きなを得られると思いますよ!

当ラボでは、会社案内パンフレットの制作を企画段階からすべて承っております。「ストーリー化ってどうすれば?」「うちにどんな個性が?」といったことから客観的視点でアドバイスをさせていただき、本当に役に立つ会社案内パンフレットの制作をお手伝いいたします。
ぜひ「お問合せフォーム」よりご連絡ください。
初回40分無料のオンライン制作相談も承っております!
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この記事を書いた人

これまで、教育系出版社、編集プロダクション、デザイン会社などでライター・編集者として約20年、広報誌や会社案内、社内報に記念史、リーフレット、チラシなどを制作してきました。

独立した現在は、主に個人事業主や小さな会社の営業用パンフレットや販促チラシ、Webライティングなどを通して、お客様の強みを言語化し、価値を「カタチ」にするお手伝いをしています。

モットーは「いいパンフレットでいいコミュニケーションを、いいコミュニケーションからいいビジネスを」。

そのために、「つくること」がゴールではなく、「本当に役に立つ」「ビジネスにつながる」パンフレット・チラシをつくります。

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