大阪吹田の編集ライティング&デザイン制作

パンフレットのデザイン・文章の修正が終わらない!3つの理由&解決法

パンフレットの修正が終わらず嘆いている担当者

パンフレットやチラシ制作でよくあるのが「修正が終わらない」問題です。

いつまでも、いつまでも、いつまでも修正している…。

終わるどころか、下手したら増えていっているかも…。なんて経験はありませんか?

そこで今回は、パンフレット・チラシの「修正が終わらない問題」の原因とともに、それを収束させていくための解決法をご紹介します。

パンフレットやチラシの修正にヘトヘトになった経験がある個人事業主さんや、小さな会社の担当者さんは、ぜひお読みください。

目次

デザインや文章を経験とカンで修正している

パンフレットやチラシの修正がいつまで経っても終わらない理由としては、まず、経験とカンに頼っていることが挙げられます。

パンフレット・チラシの制作を担当される方は、当然その業界のことを熟知しています。

それだけに、ご自身の中には積み上げてきた経験があり、それにもとづいたカンが働くのも無理はありません。

でも、それってほぼ「主観」なんです

実際、同じ業界で同じ経験を有していても、人が変われば意見は変わるし、時間が経てば本人の中でさえ考え方が変わる可能性はありますよね。

例えば、文章の修正をしていて、その日は修正した内容に満足して終えたものの、翌日見直してみると、やっぱりなんか違和感があって再び文章を直してしまう、なんて経験はありませんか?

主観は感情ですから、コロコロ変わります。そのため、主観に依拠していると、修正箇所の見え方にも揺れが生じ、良し悪しの判断がしにくくなってしまうのです。

さらに、そういった場合の修正はビフォア・アフターでほとんど変化がないか、最悪、クオリティが下がっている場合すらあります。

というわけで、経験やカンといった主観で修正したり、制作したりしないようにするにはどうすればいいのか?具体的な方法をご紹介します。

パンフレット・チラシは論理的な根拠にもとづいて修正する

経験やカンによる修正を避けるには、論理的な根拠にもとづいてつくることが一番の方法です。

論理的な根拠とは、具体的にはパンフレット・チラシの「ターゲット(想定読者)」と「発行目的」になります。

その修正をすることで、ターゲットにどんなメリットが発生するのか?どれだけ発行目的にそった内容にブラッシュアップされるのか?「ターゲット」と「発行目的」を基準に考えてみてください。

そうすれば、今しようとしている修正が本当に必要か、時間をかけてもした方が良いのか、判断できるようになるはずです。

その際は、当然「締切」という時間的制約も基準になります。

締切、ターゲット、発行目的。

いずれにしろ、「自分の外側」に根拠を持っておくことで、それが指標となって修正すべき箇所を示してくれるのです。

そして、複数名で制作する際は、この根拠を必ず「共有」しておきましょう。

せっかく自分の外側に根拠があっても、共有していなければ、結局、立場が上の人や声が大きい人の主観的意見に流されてしまうからです。

パンフレット・チラシ作りにおいて「主観」は最大の敵です。できるだけ、自分の外に修正基準の根拠を求めましょう。

そうすれば、ムダに修正箇所が増えたり、外注業者とのやりとりがエンドレスになることは減っていくはずです。

多くの人の意見を取り入れてデザインや文章を作っている

パンフレット・チラシのデザインや文章について、同僚や上司、部下など、いろんな人に意見を聞くこと自体は悪いことではありません。

ただ、そのすべてを取り入れようとすると、エンドレス修正が始まります

周囲の人の意見は、良くも悪くも「客観的」といえます。

客観的であるがゆえ、担当者には見えなかった・気づかなかった箇所を指摘してもらうことができます。

ただその反面、担当していないがゆえに、思いつきだったり、論点がずれていたりすることも少なくありません。

そこをきちんと見極める必要があるのです。

そうした見極めをしないまま、多様な人の意見をすべて反映させようとすると、色んな方向を向いた要素が入り混じってしまうため、まとまりのない誌面になり、直しても直しても違和感のある誌面になってしまうのです。

根本的に方向性の異なる要素が入り混じった誌面の修正は、簡単ではありません。

下手をしたら、コンセプトの見直しという基礎工事レベルの作業からやり直す必要が出てくるかもしれません。

では、いろんな人の意見を聞きつつも、それに振り回されないようにするにはどうしたら良いのか、コツをお伝えいたします。

最終決定権の所在を明らかにして作る

どれだけ多くの人の意見を聞いても、参考にしても構いません。ただ、最終決定権だけはご自身で持っておきましょう

ご自身がまだそれを持てる立場でないなら、とにかく一人の方に、最終決定権を持ってもらい、その方の判断を仰ぐようにしましょう。

最終決定権が誰にあるのか曖昧なまま大勢の人の意見を取り入れてつくれば、当然、まとまりのない、つまり、修正箇所がたくさん発生する誌面になってしまいます。

しかも、複数名で制作していれば、「ここが変だ」「あそこはもっとこうした方が」「そもそもここが…」などと、それぞれ気になるところも違うはず。

そんな時こそ、その中の一人が最終決定権を持つ、いわば「編集長」の役割を担っていれば、多くの意見をきちんと活かしながらも必要な修正を取捨選択できるため、建設的に修正を進めていけるはずです。

修正の最終決定にこそ「客観的基準」が必要

最終決定権を一人に集約していても、その人が「主観」で判断してしまっては、元も子もありません。その際にも、客観的基準による判断が重要であることは言うまでもないでしょう。

ここで、以前実際にあったエピソードをご紹介します。

とある専門学校のOB・OG向け広報誌を制作していた時のことです。OBのインタビュー記事として、その学校を卒業され、士業として独立された方にインタビュー取材を行いました。

すると、その方が「最近独立したばかりなので、誌面に広告スペースを設けて宣伝させてくれませんか?」と言ってこられたのです。

気持ちはわかります。

個人事業主としてスタートしたばかりなら、PRしたいのも当然です。発行部数も確か1,000部ほどある広報誌でしたから。

ただ、その広報誌の発行目的は「卒業後も学校や卒業生の近況を共有することで、その学校の卒業生であることに誇りや喜びを持っていただく」ことです。

つまり、ご登場いただいた方のご商売を宣伝するための媒体ではないのです。

さらに、お一人だけそれを許可してしまうと、他のページに載っている方は不公平に感じるでしょう。載せられるものなら誰だって「自分の会社をPRしたい!」と思うはずですから。

しかも、そのお申し出があったのが締切間際だったこともあり、僕はお断りした方が良い旨を、広報誌の発行元であるクライアントに伝えました。

その基準をまとめると、以下のようになります。

  1. 広告文の掲載は冊子の発行目的に合致していない
  2. 一人だけ許可すると他の掲載者との不公平が生まれる
  3. 誌面上に新たなスペースを制作するには時間が足りない

これらはすべて、論理的に説明できる理由であるとともに、僕自身の外側にある客観的な根拠といえます。

以上の内容を担当者の方にお伝えしたところ、「私も冊子の目的と違うので断ろうと思っていたのですが、どう伝えれば良いか困っていたので助かりました」と言っていただきました。

もちろん、広告掲載を希望されたインタビュー対象の方にもご納得いただけました。

もし、僕が自分の気持ちを優先させて「そうですよね、独立されたばかりなら載せたいですよね。なんとかスペース作ります!」と言っていたら、手間が増えたことは間違いありません

締切間際のただでさえバタバタしているタイミングに、新たな文章を支給してもらい、新たなスペースをデザイナーに加えてもらい、それをチェックしてもらい…。

こうして、修正がエンドレスになっていくのです

面と向かっていろいろ言われると、人間はどうしても気持ちが引っ張られます。でも、そんな時こそ客観的根拠が重要であるという良い例だと思い、ご紹介しました。

締切を設けずにデザインや文章を修正している

「締切」と聞くだけで胃が痛くなる方もいらっしゃるかもですが、もっとずーっと恐ろしいのは、「締切のない」制作作業です。

これはもう、本当に声を大にしてお伝えしたい大切なことです。

小さな会社や中小企業においては、基本的に広報誌や社内報などのパンフレット類やチラシの制作は、どなたかが本業と並行して行うことが多いでしょう。

つまり、パンフレット類の制作作業の優先順位は概して高くありません。他にやらなきゃいけないことがいっぱいあるので。

だからといって、「締切」なしで制作を進めると…どんどん修正が長引き、結果、遅れていく可能性がかなり高まります

実際、過去に僕も、とある企業の100ページ程度の記念誌を作るのに、足掛け6年かかったことがありました。

ご依頼を頂くちょっと前に生まれた娘が、終わる頃には年長さんでした!

もちろん締切は設けたし、スケジュール表も作りました。

しかし、クライアントの要望や担当者の方の多忙によりどんどんズレていき、最終的には「周年の年に発行できなくてもいい」とまでなったのです。

つまりは「締切なし」宣言です。こうなるともう、エンドレスまっしぐらです。

結局、周年にあたる年の翌々年にようやく完成し、発行にこぎつけられました。担当者の方も制作業者の僕も、終盤はヘトヘトになっていたことを覚えています。

基本、パンフレットやチラシの制作の多くが並行業務であるがゆえに、締切がないとエンドレスになってしまうのです。

締切から逆算して制作・修正する

締切がないがゆえに、制作も修正もエンドレスになってしまうなら、解決法は簡単です。締切をしっかり設ける。それだけです。

パンフレットづくりって、実はフルオーダーメイドのモノ作りです。しかも、フルハンドメイド。自動化されている工程は、最後の印刷工程くらいです。

だから当然、手間も時間もかかります。さらに、どの工程にどれくらいかかるかが見えにくい作業でもあります。

そのため、スケジュールを制作しにくい部分もありますが、むしろ、だからこそ仮でもいいのでスケジュールは絶対につくりましょう

そして、制作していく中で予定が変わったら、スケジュールをその都度修正していけばいいのです。

「その都度、変えてしまうならスケジュールの意味ないじゃないか」と思われるかもしれませんが、たとえそうであっても、僕はスケジュールをつくってその都度、基準を決めた方がいいと考えています。

変わる前提であっても締切をきちんと決めて、そこから逆算して間に合うように作業を進める

この当たり前のことを、当たり前にすることが、制作・修正作業をエンドレスにしない大切なポイントだと思います。

「なるはや」依頼をやめる

パンフレット・チラシの担当者さんなら、一度は、社内の方から記事を集める際や外注業者に「なるはやで」と伝えた経験があるのではないでしょうか?

これは僕の個人的な見解かもしれませんが、「なるはや」依頼は逆に効率を下げる進め方なので、避けた方が良いと思います。

なぜなら、社内への依頼はともかく、外注の制作会社に「なるはやで制作して」と言っても、後回しになってしまう可能性が高いからです。

もちろん、悪意を持ってそんなことをするわけではありません。

中小の制作会社は、往々にして一人の担当者が複数の案件を抱え、常に何らかの締切に追われていることが常態化しています。

そんな状況で「なるはや」という曖昧な要望を出したところで、依頼される側も頭ではわかっていても、どうしたって締切が明確な案件に先に手をつけてしまうのです。

その結果、後回しになってしまうのです。

つまり「なるはや」という要望は、ニアイコールで「締切なし」と言っているようなものなのです。

実際、「なるはやで」と言った割に、なかなか依頼したものが上がってこなかった経験はありませんか?

それは、上記のような理由からではないかと、勝手ながら推測しています。

急いでいるからこそ、明確に締切を設定して、共有して、お互い納得の上で制作・修正を進めていくことが、結局一番、効率的でスムーズだと思っています。

終わらないデザインと文章の修正は「基準」で終わらせる

ここまで、パンフレットやチラシの修正作業が終わらない理由とともに、解決法を挙げてきました。

それぞれの解決法に共通しているのは、「基準を設ける」ということです。

経験やカンに頼らず「客観的根拠」を持ち、大勢の意見を聞くにしても「最終決定権」の所在を明らかにし、そして「締切」を明確にして逆算して進めていく。

どれも当たり前のことですが、それがなかなか難しいのが現状であることはよくわかっています。

クリエイティブ系の作業は、センスや感性が重要と思われがちなため、どうしても「主観」で進めてしまいがちです。

センスや感性が不要とはいいませんが、それよりも論理的に考え、建設的に進めることの方が、終わらない修正作業を終わらせるためには重要になります。

そして繰り返しになりますが、根拠なく主観だけで修正を続けても、そのパンフレットのクオリティは多分、そんなに上がりません。

そう知った意味でも、終わらない修正作業と決別することは「効果の出る」パンフレットづくりにもつながっていくと考えています。

いつもパンフレット制作・修正作業が終わらずお困りのご担当者様は、ぜひ、お問い合わせフォームより当ラボまでご連絡ください。効率良く、スムーズに進行させるノウハウを共有しつつ、効果の出るパンフレットづくりに協力させていただきます!
初回40分無料のオンライン制作相談も承っております!
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この記事を書いた人

これまで、教育系出版社、編集プロダクション、デザイン会社などでライター・編集者として約20年、広報誌や会社案内、社内報に記念史、リーフレット、チラシなどを制作してきました。

独立した現在は、主に個人事業主や小さな会社の営業用パンフレットや販促チラシ、Webライティングなどを通して、お客様の強みを言語化し、価値を「カタチ」にするお手伝いをしています。

モットーは「いいパンフレットでいいコミュニケーションを、いいコミュニケーションからいいビジネスを」。

そのために、「つくること」がゴールではなく、「本当に役に立つ」「ビジネスにつながる」パンフレット・チラシをつくります。

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